ミラノのM.A.D.S art galleryからオファーを頂き絵画作品を3作品を出展いたしました。

国際現代美術展 ADRENOCROMO FOR DINNER
2022年11月28日~12月2日
展示会場:M.A.D.S art gallery ミラノ(イタリア)、フエルテベントゥーラ(スペイン)、メタバース
展示方法:デジタル展示
公式HP:https://www.madsgallery.art/

カタログに作品と批評文を掲載頂きました。
批評文はイタリアのキュレーターであるLisa Galletti氏によるものです。

 


(以下日本語訳

Yuri Okada | 岡田 友里
ビジュアルシンキングとは、私たちの周りの世界についての感情、思考、知覚を視覚的なイメージによって構成する能力のことです。

私たちは日常生活の中で人や物事を説明するとき、視覚的な表現をよく使います。例えば、「百聞は一見にしかず」ということわざや、「green with envy(とても羨ましがる)」「black humor(ブラック・ジョーク)」「rosy vision(バラ色の想像)」といった色に関する表現などです。

また、私たちはほとんどの場合、視覚的な描写によって世界を定義し、イメージで思考し、しばしばアイデアや感情を表現しています。

例えば、ユングの夢や芸術における視覚的シンボルへの興味はよく知られており、治療においてもイメージの重要性を述べています。彼は夢や芸術的なイメージの中に心の状態を体現させ、そこに含まれる感情を経験することによって、より明確に、より深く心を理解できることに気づいていました。

芸術が人間の本質や思考を語るとき、それは芸術家にとっても、それを楽しむ鑑賞者にとっても治療的な媒体になります。そして、芸術というメディアは、気分や経験、感情や悩みを共有する場に変わるのです。

自己表現としてのアート、すなわち、感情にイメージを与えることで自分や他人を浄化する”カタルシスの概念”としてのアート。

岡田友里のアートには、このような特殊な芸術表現の概念が抽出されていますが、考えてみれば、これはそれほど一般的なことではありません。

実際、アートはさまざまなインスピレーションから生まれ、多くの用途があります。過去や未来の経験を語ることもできるし、日常における何かを訴えることに焦点を当てることもできます。時にはアートはプロパガンダとして、あるいは物語を伝えるためにも使われてきました。

一方、岡田友里のアートは、色彩に塗られた人間の魂の純粋な表現です。そして、まさに色と形によって、必然的にカタルシスを行いながら、自己の特性を抽出するのです。
「未知への歓び – 見えるものと見えないもの -」は、友里の芸術を最も象徴する作品のひとつでしょう。未来という概念に潜む好奇心、興奮、そして未知なるものへの恐怖を、造形と色彩で表現しているのです。

未来を考えるとき、私たちの目の前にはさまざまな意味が浮かび上がってきます。作品のキャンバスに描かれた色や点の数だけ、無限の可能性と道筋があるのです。

蛇のような大きな青い筆跡が構図全体を特徴づけています。その輪郭はかすれ、ほとんど明瞭ではなく、色の軌跡は不規則です。未来を考えるときも一緒で、詳細や選択すべきことをすべて知ることは不可能です。

そして、絵の中にミッドナイトブルーやピンク、グリーン、オレンジ、赤紫といった色とりどりの小さな斑点が現れ、重なりあい、白いキャンパスを無邪気に、不可逆的に染め上げているさまが、その不確実性を見事に体現しています。

岡田友里の未来への想いが込められた視覚的にも美しい絵は、キャンバスを観る者のカタルシスを達成させます。

作品に点在する斑点には、恐怖、好奇心、喜び、畏敬の念が包括され、この作品を観る私たち自身も、その絵に自身の魂が映し出されているのを感じるのです。

アートキュレーター
Lisa Galletti
リサ・ガレッティ)

その他、ホームページにアーティスト情報と作品を掲載頂きました。

該当ページのキャプチャ
https://www.madsgallery.art/item/cc1c8743-b965-461a-9fbd-c5dd959dbf9a/artist/yuri-okada